wander around holding a soft oval

日記を書いてます。人からはエッセイだとも言われます。

小さな日記のつめあわせ

 LINEのKeepメモ。私は買い物に行ったときに忘れないように記したり、スマホ→PCに画像を送る時によく使う。新たにアプリを入れなくても、すでに同期出来ているLINEでいろいろやり取りができて便利だなぁと思う。たまたま知った本のタイトルとかもメモしてる。

 それ以外に、日常であった小さなことも一言日記としてKeepしているのだけれど、その日記というかメモが結構たまってきた。ここらで放出、いや排出したい。なんとなく気になるから。どれも取るに足らないような内容の、他の人にとって、なんなら今の私にとってもどーでも良いことなんだけどね。

 

メモ:お口クチュクチュモンダミンや!

 ドラッグストアで日焼け止めを眺めていると、なんとなく騒がしいお客さんが2名ほど入ってきた。私はその時入り口に背を向けていたんだが、その客が2名であることも、今入ってきたなということも分かるくらいには騒がしかった。ただ、なんと喋っているかはボンヤリとしか分からない。多分関西の方なんだろう。

 店内のBGMが差し替わり、静かになったその瞬間、客の片方が叫んだ。「そうや!お口クチュクチュモンダミンや!」笑ってしまった。これが「除菌も出来るジョイや!」だったらそこまで面白くない。恥ずかしげもなく、お口クチュクチュと言い放つところが面白い。言葉の響きと勢いが。他のお客さんや店員さんは笑わなかったんだろうか。

 

メモ:ドトールでソワソワする

 新装開店したばかりのドトールで、コーヒーフロートを注文した。ストローの先がスプーン状になっておらず、また長いスプーンももらえなかった。取りに行くのも面倒なのでそのまま普通のストローで掬いながら食べた。

 30分くらいのんびりしよう、そうだ日記でも書くかと思い鞄に手を突っ込んだ。その時「レタスドッグと◯◯でお待ちの、13番のお客様ー」という大きな声が聞こえた(番号は忘れたので今テキトーに考えた)。この呼び出しは2回目だったはずだ。もう一度呼ばれる。13番のお客様ー。返事がない。ふむ、お手洗いにでも行ったのかなと、鞄からノートと一緒にイヤホンを取り出した。

 そこから前の日のことを思い出して書いてみたり、気になって動画を見たり、底のほうがちょっとシャリシャリしたソフトフリームを食べたりして過ごした。フロートを半分くらい飲み終えた時、また大きな声で「レタスドッグと◯◯をご注文された13番のお客様ー」と店員さんが呼んだ。誰も席を立たない。

 こういう時、自分はすごくドキドキしてしまう。昔飲食店で働いていた時の記憶が蘇る。あわわ、店員さん大丈夫かな。そして呼ばれている側の、つまり13番の客のことも心配になってきた。どうしたんだろう、注文したこと忘れて帰っちゃったのかな、ボケちゃってるのかな、それともトイレから出てこれなくなったのかな、子供連れでなにかあったのかも、うわわ。もういっそオイラが13番様のフリをして冷めたレタスドッグを貰ってしまおうか、いやそれはある意味犯罪か、どうしよう!

 こうなってしまってはもう、とてもじゃないが落ち着いていられない。フロートをガシャガシャとかき混ぜ一気に飲み干し、そそくさと店を後にした。あの後店員さんと13番様はどうなったんだろう。無事に食べられたかな。店員さん怒られてなかったら良いな。

 

メモ:関根大気

 駅前にユニフォームを着た親子連れが立っていた。子供の方がリュックを背負っている。背負うための肩に当たる紐(ショルダーハーネスというらしい)の間から「 根大 」という文字が見えた。…だいこん?大根が好きなの?大根が好きな野球選手でもいるのか?

 子供が水を飲もうとしてか、体をひねる。その時ハーネスもずれた。背中には「 根大気」と書かれていた。…こんだいき?なんかの四文字熟語なのだろうか。ほらあるだろう、一球入魂とか、疾風迅雷とかクラブTシャツに書きがちだろう、あれかな。でもナニこんだいきなんだろう、そんな言葉は知らんぞ、早くハーネスずれないかなーと思いながら、喉が渇いたフリをして私もその場で水を飲み始めた。

 子供が疲れたのかリュックを降ろしたぞ!しめた!オレの方に背中を向けろ!なんて書いてある……関根大気?それはどんな意味の熟語なんだ?せっこんたいきって読むの?え、見ても分からないなんて!今の子供達って、大人が知らない言葉をユニフォームに書くんだな~すごいな賢いな!と感心してその場を後にした。

 数週間後、SNSで関根大気さんを応援するツイートを見てようやく気付いた。

 

メモ:防災管理者朽木正成さん

 駅構内に「防災管理者・朽木正成」と書かれていた。黒字のパネルに明朝体で、しかも赤文字で。すごいカッコいい。黒字に赤で名前書かれることって人生でそんなに無いぞ。いいな。(なお朽木正成は仮名)

 

メモ:フォールアウト4みたいな光景

 Twitterで問題が起きたそうで、私が普段使っているマストドンインスタンスにも多くの人がなだれ込んできた。マストドンという別のSNSだと思ってくれていい。そこにたーくさんの人がやってきた。そのSNSには3000人くらいの人が登録しているんだが、5000人くらいやってきたらしい。本当かどうかは知らん。

 そのSNSを元から使っている人、Twitterから来たばかりの人、いろんな人が色んな感情をぶちまけていた。私はというと、その色んな人にDMを飛ばして話しかけていた。なるべく困ってそうな人に。大丈夫か、しんどいな、こういう機能があるぞ、良かったね、等などと。

 普段使っている~と書いたが、実を言うと、あまり使っていない。そこまでドップリとSNSに浸かっていない、と思う。朝と夜にご飯の写真を投稿するのが基本で、その他で1日平均一言程度しか呟かない。人と話すのは好きだが、集団の中でなにかをするのは色々思う所があって少し抵抗がある(集団というものに抵抗があるだけで、そこに属する人が嫌だという話ではない)

 なので自分は、元から使っている人、つまり原住民だぞと胸を張ってイバれるわけでもないし、かといって新参者というわけでもない。半年以上は使ってるし知り合いもいるからな。なので宙ぶらりんの状態で、あっちこっちに話しかけていた。

 その時ふと、フォールアウト4みたいだなと思った。

 フォールアウト4はちょうど私が今プレイしているゲームだ。核戦争が起きた後の世界を冒険する。詳しい話は端折るが、核戦争が起こる前にシェルターに避難する。そして戦争が終わった後、シェルターから出て、ポストアポカリプスな世界を生きていく。そんなストーリーだ。プレイヤーにとっては。

 戦争が始まる。世界が終わってしまっても自分はなんとか生き残りたいので、必死にシェルターに避難する。シェルターにはある程度の設備が整っているが、次第にその設備に対し不満が出てくる。管理者がアレだとか、人間関係がアレだとか、食べ物がもうないとか。そこで争う者も沢山でてくるし、そのせいで死ぬものもいる。シェルターは慈善事業ではなく、ある企業の利益のために運営されているので、そこに住んでいる人は運営側から知らぬ間にひどい目にあわされたりする。

 なんやかんやでもう生きていけないので、今度はシェルターから避難する。目的があって脱出するものもいる。外の世界を見てみると、見事に荒野だらけだ。シェルターにはあったベッドも、食べ物も水道も天井も何もかもが、そこにはない。自分の場所が存在しない。流れる水を飲めば毒まみれだし、ちょっと歩けば撃たれるし。カニはでかいし最悪だ。

 完璧にではないが、これと今のSNSで起こったことが、結構似てるなと思った。Twitterがシェルターで、Twitterの外側が荒野だ。私が使っているSNSが、ではなく、Twitterの外側がすべて荒野だと、あえて書きたい。なぜならTwitterから避難してきた人間にとっては、どこもかしこも似たりよったりだからだ。Twitterでないという一点において同じなのだ。朽ち果てていくシェルターはクソだが、この何もない世界はもっとクソだ。あああのピカピカだったシェルターに帰りたい、と思っていた人は、あのSNSの中にどれくらいいたんだろうか。

 元々そこに住んでいた人とも話して、シェルターから出てきた人も案内して、自分がやっていることがなんだか「チュートリアルに出てくる通りすがりの旅人のようだな」と感じた時に、フォールアウトのことを思い出し、似てるなと感じたのだった。

 似てたなぁという話を書きたかっただけなので、特にオチもなくこれで書き終えようか。でも書いてたら別のことも少しだけ書きたくなってきたな。

 その何もない荒野には、実はたくましく暮らしている人がいて、話の通じる人間も助けてくれる団体も少なからずいる。未開拓の土地ばかりだから好きに耕し放題で、知らないものが山程あるから発見し放題のお宝探し放題なのだ。

 シェルターには良い所もたくさんあって、そこからでしか見えないもの聞こえないものも沢山ある。しかしこの荒野でしか得られないもの、つまり溢れ出る太陽の光、あるいは嵐と共にやってくる毒素、または多くの出会いがある。シェルターから出た人間と再会しても良い、その穴ぐらには無かった自由があるんだから。出会いなんかいらない?なら建てた家に鍵をかけて暮せば良い、ちなみにシェルターと違って自分のスペース好きな所に好きなだけ用意出来る。

 もともと我々は自由だったはずだ。今立っている荒野に住んでいたが、なんらかの理由でシェルターに住むことになった。シェルターから出られたのなら、その自分の行為を避難などと言わず、冒険や開拓などと呼んだほうが、なんというか、楽しくなるのではないかな。とソロゲーマーは思うのだが、ああダメだなんだか説教臭くなったな。書き終えておけばよかった。

 ここで終わる。もちろんシェルターを故郷だと思って住み続けてもいい、それもまた自由だ。ちなみに先程「朽ち果てていくシェルター」と書いたが、私が使っているTwitterは特に問題なく見れている。別に朽ちていない。ひょっとすると私が使っているのはシイッ夕ーとかノ亻ッタ一なのかもしれない。

普段はここで活動しています。マストドンのアカウントは秘密です。

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