まるっとまったりまろやかに

ゲームの感想、考察、実況プレイ動画のこと。日記も。

自分の靴を自分で直した

自分で修理した靴の内側の写真


時間があったので、靴を直した。めんどくさかったが、中々楽しかった。

 

電車に乗っている時に、オイラは他人の靴をよく見る。靴が特別に好きというわけではないが、顔を眺めたり服を眺めるよりも、自然な感じで手軽に観察できるからだ。

買ったばかりの靴も良いが、使い込まれた靴を見るのが特に好きだ。大体の人は内側のソールが削れているんだが、たまに均等にすり減っている人を見かけると、なぜか嬉しくなる。

おそらくあれはすごく高い靴だったんだろうなと思うものを、ボロボロに汚して履いているのを見ると、余計なお世話と思いながらももう少し大切に履いたれよと思ったりもする。靴との向き合い方は人それぞれあって良いと思うのにさ。

 

で、ある日ふと「余計なお世話なオイラの靴は果たしてどうだろうか」と思い、自分の持っているスニーカーを眺める。ソールは全然ヘタれてないが、靴内部の履き口や、踵のうち太もも側?の布が破れている。こういうことはよくあるし、見えないところなので気にせず履き続ける……普段ならね。

しかし、最近DIYの機運が高まっているオイラとしては、これって自分で直せるのかと気になり、調べることにした。見つけたサイトには、直せると書かれている。とても簡単にw数千円も貰おうとする業者はボッタクリですよwとある。

オイラは知っている。こういう時は大概簡単ではない。道具があっても技術と時間が必要だ。記事を書いている人とそれを読んでいるオイラ、そしてボッタクリですよwなどという記事を書かれていることを知らず働いている服飾修繕屋さんでは、技術家庭科に必要な物の所持数が全然違うんだもんな。

ま、失敗したら失敗した靴を履き続ければいいか!それはそれで面白いだろ!という謎のポジティブさで、挑戦してみることにした。自分で前髪切るくらいのテンションで行く。

 

前髪をキッチンバサミでは切らない。髪用のすきバサミとかが必要だ。靴を直すのにも同じ。しかしオイラは捻くれているのでサイトで紹介されていた品々を全部無視し、自分で考えて材料を揃えることにした。100均で。

補修クロス 厚地用 - ダイソーネットストア【公式】

100均には補修布が沢山ある。素材もジャージ用やデニム用などいろいろ。オイラの靴は内側がベージュなので、それに合う色でなるべく丈夫なものを…と思い、上に載せたものにした。アイロンで圧着させるタイプ。もし貼り付かなければボンドや瞬間接着剤でも使ったろという気持ちだし、ダメなら手芸屋さんでも行ったら良いかと思って。それくらい気軽に100均で済ませた。既にこの時の気持ちの大きさは「靴を大切に履きたい<直すの面白そうじゃん」という感じだ。

買ってきた補修布を、靴の踵部分内側の底の部分から靴外側の履き口ギリギリのところまで合わせて長さを測り、ハサミで切る。服と違い、靴はどこもかしこも曲面なので長方形の布は貼りにくい。だもんでハサミでスリットを入れていった。スリットの数が多ければその分曲面に貼りやすいが、スリットの間から本来補修したかった穴の部分が露出してしまう。そのバランスが一番難しかった。

布の方の準備ができたらアイロンをかける。我が家には一応アイロンもかけられる衣類スチーマーがあるので、その先っちょを靴にグイグイ押し当てて接着していく。接着後は冷めるまでそのままにして、もう片方の靴の作業に取り掛かる。片方が接着できたらまた反対の……という感じで交互に進めた。踵の奥側の曲面にアイロンをあてるのがすごく難しい。時間をかけて少しずつ……やっていくのが飽きてきたので片足の方はテキトーにやりすぎたかもしれない。もし布が剥げたらまた考えればいいやの精神でエイエイと進めていった。

踵部分が終わったので、踵の内太もも側の修繕に取り掛かる。ここには本来は綿が入っていたようだがそれも抜け穴が空き、踵部分を補強するための芯材が露出している。ここには一枚柔らかい布を穴の部分に入れ綿代わりにし、その上で補修布をあてた。なお綿代わりには、昨日ついに穴が開いてしまった靴下を切って使うことにした。

カットした靴下とスチーマー。

あとははみ出た布を回転式のカッターで切り取り、布の縁を瞬間接着剤やボンドでくっつけて完成。縫い付ければより頑丈になると思ったが、裁縫はあまり得意ではないので諦めた。素人パワーでそこまでするくらいなら、業者に頼む。

修繕が終わってから眺めてみると、我ながらよく出来ていると思う。布の色をあえて派手にして、スリットたくさん入れて貼り付けたら、もっと模様っぽくなって可愛くなるんじゃなかろうか、と思ってニヤニヤしている。接着剤が乾くまで待つ。

 

雨の日、晴れの日、何日かこれを履いて出かけてみた。履く時に、履き口と厚手の靴下が擦れて少し履きにくい。布を重ねているし、ボンドで生地の柔らかさが多少損なわれているので、この辺は仕方がない。

歩き始めると修繕部分は全く気にならない。普段の靴のサイズより1mm縮んで27.4cmに変わったような履き心地だ。踵周りのフィット感が僅かにがっちりと、安定したような。ハイカットスニーカーに似てる。5回ほど試し履きしてみたが、今のところは問題ない。

写真をよく見ると、履き口に何か別の素材が張り付いてあるようだが、オシャレな切り替え素材にも見えなくもない。それに(あっあの人靴自分で靴直したんだ、オモロ〜/へんなの〜)と思われるならそれはそれで良い。

この靴を買ったのは一昨年よりも前のことだから、週に一度足を通していたとしても月4.2回、2年で100回は履いたことになる。実際はそれよりもずっとたくさん履いているはずなので、たかが5回の試用運転で何が分かるんだとはオイラも思うんだよな。

が!少なくとも「初めから履いてみて合わない靴よりは、履き潰した靴を自分で直してまた履いた方がずっとマシだ」ということだけは分かった。

直した靴を履いた様子。

直した靴を履いた様子。靴下が毛玉だらけだ。

今回靴を直してみたが、思っていたよりも楽しかった。買い直すのと一旦修理するのとでは、ストレスの消え方が少し違う。買い物はストレス発散になるが、直すとストレスが溶ける。直している物に染みるというかな。

靴を買ったこともボロボロにして捨てたことも沢山あったのに、オイラは靴の内側の穴の修繕なんてしたことがなかった。もったいない。靴が、というより、直す機会が、だ。

素人の仕事だもんで、おそらくすぐに綻びが出てくるとは思うが、綻んだらまた直せば良いと思うし、直せなかったら人に頼めば良い。それでダメなら買い直す。今回直した靴は、近所のABCマートに普通に売ってるのだ。間違えても良いと分かっている状態で何かにチャレンジするのは、オイラはとても気持ちがいい。

もう3月も終わる。4月が始まる。まだオイラが経験してないことは沢山ある。

 

あまり関係ないけど、やはり1枚写真を撮っておいて、それを元に日記を書いていくのはやりやすくていいな。絵日記を書けという宿題を出した小学校側の気持ちが少しだけ分かる。