まるっとまったりまろやかに

ゲームの感想、考察、実況プレイ動画のこと。日記も。

ぐっどらっく(後編)

角無は何故か「奥様方」にモテる。
容姿が良いわけでも、気が利くわけでもない彼は、20程も歳の離れた奥様方に可愛がられる。
毎月職場で行われる「女子会」にお呼ばれし、煮物や混ぜご飯をたらふく食べ、お菓子や漬物のお土産まで貰う。

「うちの子は漬物嫌がるのよー」「角無くんはよく食べるわねー」「ほうじ茶飲みなさいってばホラ」
自分の子供達が煙たがる情を、発散させる丁度いい人材なのだろうか、と彼は思っている。

こんな話は自慢話になどならない。彼は奥様方ではなくお姉さま達に好かれたいのだから。
彼はお姉さん好きであるが、お姉さんからモテた試しはない。
隠し切れない下心が、お姉さん達には分かるのだろう。好き故に近づかれない。まるでヒノアラシだ。


――小さい頃だけの特権だと思ってたけど、大人になっても中年に好かれるのか。
横にいる中年女性を見ながら、角無はドーナツを頬張った。
 

話は数十分前に遡る。
外国語を話す女性を、ショッピングモールの東口まで案内することになった角無は、途方に暮れていた。
彼は方向音痴だ。初出勤の時も、地図片手に迷い、出社時間から1時間過ぎて到着したことがある。 
意気揚々とモール内を歩いて10分、自分がどこにいるかもよく分からなくなっていた。
 
角無が眉間に皺を寄せながら、各地にあるモール内の地図を睨んでいた時だ。
中年女性の不安そうな顔が視界に入った。

女性は先程まで沢山の人に助けを求め、その度に嫌な顔をされて去られていたのだ。
しかも、ようやく捕まえたこの男は、英語は通じない上にイーストゲートの場所も分かっていない。 
自分が外国へ行き、同じようなことをされたら、思わず泣き出してしまうかもしれない。
角無は女性を励まそうとしたが、そんな単語すら知らなかった。

「ゴメンナサイ、ボクガエイゴハナセナクテ、ゴメンナサイ」
自分の口から片言の日本語が飛び出し、彼は驚いた。日本語もまともに話せないのか俺は!
アイムソーリーだろ!アイキャントスピークイングリッシュだろ!なんで俺まで外国人になってんだよ馬鹿野郎! 


すると、女性からまた聞き覚えのない言葉が聞こえてきた。
うーんここで小粋なジョークでも言えれば笑顔になってもらえるんだろうけど…え?今なんて言った?
ぱーどぅん?と、彼が知っている「困ったときに使う英語」で、もう一度聞かせてもらった。

ふんふん…コリア…アイムコリア!?韓国の人なのか!そんで友達に会いに来たんだな?
俺日本人かと思ってたよ…そうか、アジアの女性でも日本人とは限らんよな…当たり前すぎるな…
というか俺…少し言葉がわかるようになってきたな…これが噂のス○ード●ーニングってやつか…
…そうか、この人も英語が苦手なんだ…それでも何とかしようと頑張ってるんだ…

彼は傍にあったベンチを指さし「すっとだうん!ぷりーず!」と発した。
二人でそこに座ると、角無は自分が持っていた紙袋からドーナツを取り出し、それを渡した。

でりしゃすどーなつ!ぐっどぐっど!いーと、ぷりーず!」
ドーナツを頬張った彼女は、笑顔で「デリシャス!~センキュー!~」と言ってくれた。
 
韓国という言葉を聞くだけで発狂するような人間がいることを、角無は知っている。
しかし彼自身は日本と韓国の問題はよく知らない。
知らない事に振り回されるよりも、知っていることだけ考えていたい。彼はそう決めている。

このおばさんは韓国から日本に来て、友達に会いたがってる。知っているのはそれだけだ。
だったら助けることだけ考えよう。それに、この珍道中はやっぱり面白いし!

ドーナツを食べている間、角無と女性の間には会話はなかった。
しかしその無言は苦ではなかった。少しだけ心が穏やかになったのが分かった。
やはりドーナツは平和の象徴だな…角無は最後の一口を頬張りながら、そんな事を考えていた。


二人で二個ずつドーナツを食べ、二人は再び地図を見始めた。
確実にここが東口の近くなんだよな…なのにどこにも入り口がない…のは何でなんだ…?
どれだけ助けようとしても、方向音痴には限界があった。

彼は再び女性の顔を見た。そして、どうすればこの人を案内できるか気付いた。
やっぱり俺はうっかり者だ!畜生、初めから人に聞けばいいじゃないか!

彼は女性に「じゃすとあもーめんと!」と、手振りも加えて言い放った。彼女は頷いた。
角無は婦人服売り場にいる店員に声をかけ、東口の場所を尋ねた。

「はい、どうされました?」この一言だけで、角無には店員が天使か何かに見えた。
「すみませんが、東口の場所がわからなくて…教えて頂いてもいいでしょうか?」
彼は天使の返答を期待した。

「えーと…東口でしょ?えっとねー…」『…え!?店員さんですよね!?』
「いやそうなんだけど…うーん…」

まさか店員が東口の場所を知らないとは。角無は頭を抱えた。
先ほどまで店員の背中に見えていた羽は、ハンガーにかかっていたポンチョだったことに気付いた。

その瞬間、店の前を警備員が通りかかった。店員と角無は同時に「すみなせーん!」と大声で呼んだ。


――センキュー!~フレンド~デリシャス~…
階段を降りると、念願の東口がそこにはあった。そして、女性の友達らしき人が手を振っていた。
そう、東口は一階にあったのだ。やはり自分は方向音痴なのだなと、苦笑いを浮かべていた。
女性は角無に色んな言葉をかけてくれた。やはり言葉は分からない。しかし、何を伝えているのかは分かる。

そして角無も、伝えたい気持ちはあった。しかし言葉が分からない。
角無は知っている言葉の中から、別れの挨拶を口にして、手を降って駐車場へ向かった。
後ろは振り返らなかったが、嬉しそうな声の「ドーナツ」という言葉が耳に入った。

さーて、こっからどうやって仕事サボったことを言い訳しようか考えないとな…
お姉さんが俺のこと助けてくれねぇもんかな…助手席で相談に乗ってくれて…そして俺のシフトレバーを…
と、一つ残っていたドーナツを咥えながら、角無はハンドルを切った。

 
後日、友人から「そこはグッバイとか、ハバナイスデイ!とか言うんじゃないか」という適切な指導を受けた。
しかし角無は心の中で、あの人にとっては一番似合う言葉だと思うけどな、と言い訳をした。
彼が女性に伝えたのは、たった一言だけ。笑顔でこう言ったのだった。 

「ぐっどらっく!」 


 
はい、前中後編の三部に渡る日記「ぐっどらっく」如何でしたでしょうか。
うん、あれよ。外国の方を道案内したっていうそれだけの話なんだ。まさかここまで長くなるとは思わなんだ。
やっぱり英語は得意な方がいいね!理系に行ったら英語使わなくて良いじゃん!と思った高校生の俺にビンタしたいね!

しっかしあのオバちゃん、美味そうにドーナツ食ってました。さすが天下のミスドだね!
最近出たクロワッサンドーナツは本当美味しいからオススメ。あれ200円で食えるとか狂気の沙汰だね! 

(σ・∀・)σ・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆ 



はい、今週の動画の紹介ですよー(´ω` 三 ´ω`)
【サンシャイン】34~38話
ピンナパークで思い切り遊んだ後は、シレナビーチで大人のひと時を。勿論相手はビビアンで!
シレナビーチは綺麗なところですが、BGMに少し怪しげな部分があるのが良いですよねー遊び心!

知ってます三┗( ^ω^)┛三┏( ^ω^)┓ (34話)
おお!つまり貴方は東北人!私は一番小さいジェットコースターで吐いた人間だぞ!

見てるだけでも爽快感がある(35話) 
それすっごく分かります。自分の実況見てるだけで楽しいです。シュワシュワ~ってマンタが消えていくのが気持ちいい!

その人美人だよね(36話)
ね!何ででしょうな…目が可愛らしい人がメガネかけてるのグッと来るんですよね…肌の色も私好み!

追いついたー!(38話)
追いつかれたー!ということで、わざわざ最初から見て頂き、本当にありがとうございます。また引き離せるくらい、頑張って動画投稿していきますよ!

 
ポケモンW2】52~56話
サザナミタウン編。考古学者にして、シンオウリーグチャンピオンであるシロナさんとのバトル!
ですが…もう本当申し訳なかったです。しかし折れた心は再び直る、直してくれたのはそう、虫ポケだ。

今回のシロナさんはPWT~(52話)
なるほど!二年前は海底遺跡の調査のみでしたが、今回はトレーナーとしての意味もあって来るのですな!そう考えたら、PWTでは全てのトレーナーが挑戦者になるのか…すごいなPWT…

自分だったらエレキネット使うかなー(53話)
私も52話で、エレキネット使って後続を助けつつ自分で倒す!って戦法だったのですが…結果ミロカロス自体があまり足が速くなくて、逆にピンチになってしまったのですよ。
でもこうやって、俺だったらどうしようか…って考えて楽しんで頂けるのも凄く嬉しいです。
その上この方、私に「エレキネット使えよ」 とか言わないんですもの。心の優しいお方。

アニメのサトシも~(53話)
そうなのですか!あの人はポケモンに対して真剣に向き合ってますからね…向き合うからこそ、相手の強さってが大きく映ることもあるんでしょうね…

海底遺跡で生まれるとか可愛い(54話)
ですよねー!彼女が最初に見た景色が海底遺跡なんて、すごくロマンチックですよね!
勿論この子は育てますよ!ただし動画外でな⊂(`・ω・´)⊃

(σ・∀・)σ・・・━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆

シロナさん戦ね。敵を知れば知るほど、私の虫ポケモンを勝たせてあげるんだって、そう思ってたんです。
でもその思いが強すぎて、自分のポケモンのこと、ちゃんと見てあげられなかったんです。
いつの間にか、彼らはシロナさんのポケモンにも負けないくらいの力を持っていたのに。

強いポケモン、弱いポケモン、そんなの人の勝手です。
だのに、強いポケモン目の前にして、自分のポケモンのこと考えてあげられない奴が
そのセリフを口にするなんて。私は最低です。

だからこそ、同じメンバー、同じレベルで、シロナさんに挑みました。
私がポケモンを勝たせたいってのもありますが、ポケモンたちに私が勝たせてもらってるんですよね。
それを忘れてたんだ。だから!勝てて本当に良かったです。

まさかの実況4周年にして、あのバトルが出来て、私は幸せです。

まぁ4周年は…いつの間にか経ちましたね。気がついたら4周年でした。
目指せ10周年!なんて事は言いません。だって、ゲームって楽しいもの。

こんなに真剣に~というお褒めの言葉を頂きましたが、意識して真剣にやってるわけじゃないんですよ。
楽しいから真剣になっちゃうんですよね。泣いたり笑ったり、悩んだり。ゲームのおかげです。
目指さなくても、自分が楽しくやれりゃ、勝手に10年なんて経っちゃいますものね。

なので!これからもね。のんびりーとやっていきますよ!
ではおばんでした