まるっとまったりまろやかに

ゲームの感想、考察、実況プレイ動画のこと。日記も。

長期休暇が明けたなら

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長期休暇が明けて最初にした仕事は、お弁当作りだった。GW中に作っておいた鶏そぼろをご飯の上に敷いて、甘く味付けした玉子そぼろも。ピーマンとメンマを細切りにし、ごま油を絡めて弱火で蒸し焼きに。少しの塩コショウで味付けした。青椒肉絲の肉なし、青椒無絲(チンジャオナイス)だ。

支度をしてコンビニまで散歩。歩道に遺しされし飲んだくれの置き土産は、一昨日の雨でも流れきってない!避けて歩く。コンビニでゴディバ監修のチョコパンを買う。200円。妙に大きいなと思いながら家に帰る。向こうからやってくるカップルも、飲んだくれのそれに気付いてウオッと避けていた。

パンを食べてから、皿洗いにキッチンの掃除。さっきのパンはモサモサしてたな…ヤマザキの普通のあんぱんがオイラは好きだな…と思いながら、ホーローの鍋についた油を落としてやる。3日前に作ったトウモロコシとジャガイモ、豚肉の煮込みは我ながら美味しかった。Youtubeで見たキューバ料理を参考にして作ったんだが、一緒に食べてくれた人にも喜ばれた。

洗濯を回して、テーブルを片付けて。コーヒーを淹れて。水を注いだグラスを倒しテーブルをビチャビチャにしてしまって、それを拭いて。それらの行動の度に「平日だな」と感じた。一つ一つの行動が、まるでブレーカーの点検のようにバチバチと、日常へのスイッチを切り替えていくかのような。そんな感覚を味わった。

 

 

長期休暇の最終日、ちょっと遠くのパン屋に行きたくて、希望が丘駅を目指して出発した。まず最寄りの駅に着く。すると[二俣川⇔希望が丘]間で人身事故があり、運転を見合わせているとホワイトボードに書かれていた。[最寄り→新横浜→二俣川→希望が丘]の最短で行くルートが絶たれた。

オイラはどうしてもその店でパンを食べたかったので、とりあえずその隣駅、二俣川駅まで向かうことにした。地図を調べると、二俣川から希望が丘まで30分ほど歩けば着くらしい。この日は体調が優れなかったが、のんびりゆけば何とかなるだろうと、軽い気持ちで電車に揺られていった。途中喫茶店で休憩したり、おにぎりを食べたりした。

 

二俣川駅に到着した。するとホーム反対の方から、希望が丘方面の電車がやってくるではないか。見合わせていた電車が運転を再開したのだった。これで歩かなくて済むや、と思って、来た電車に乗った。しかし、ラッキーだとは思えなかったし、思いたくなかった。

電車に揺られている間、人身事故について調べていた。どうやら希望が丘の踏切で事故があったらしい。その時刻は10時45分ごろ。そしてオイラが復旧した電車に乗ったのが13時03分。この間だいたい2.1時間。

誰がどうしてどうなったというのは、ここには書かない。しかし、誰かが事故に遭って、そして電車が止まっていたんだなと考えると、なんとも言えない気持ちになる。「この2時間はまるで駅が黙祷をしていたようだ」というような、人の死を美化する気持ちが沸き上がってくるし、この事故で困ってしまった大勢の人のことを考えるとやるせない。13時03分にはもう既に、誰かがいなくなった世界を電車が走っている。

GW最後の日や、長期休暇が明けた日は、よく電車の事故が起こる。起こってしまう。悲しい。

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希望が丘駅に到着し、パン屋さんに入る。一目でヤマザキパンの系列の店なのだと気付いたのは、店の入口そばにパン祭りの皿が山積みになっていたからだ。これだけの皿の在庫が!無印の店頭で売ってる皿よりたくさん並んでる!と興奮した。この店で2000円分商品を買うと貰えるようだった。

しかし、店構えというか雰囲気が、どこか家庭的。なにかに似ているな…と考えながらパンを眺める。レジに着いた時に気付いた、あれだ!ラーメンショップに似てるんだ!

フランチャイズ店独特の、自宅とチェーン店の間のような作り。パン祭りの皿の上には、珈琲で似た煮豆などが真空パックで売られていたりもした。店内のやんわりとした照明に、紙とセロハンテープで隠してある今はないメニュー。その横にある、系列店全部でイチオシのパンのポップ。こういう店、好きだ。

パンの値段は普通だが、味はそれ以上だ。もちもち、ふわふわ、しっとり。カルツォーネは香りもいいし、カスタードチョコパンはそれぞれの甘みのバランスが良い。何より店構えが素晴らしい。テーブルの上には誰かの絵が写真立てに入って飾られていたり、古ぼけたプラケースに入った手芸作品。椅子やテーブルも丸みを帯びていて、全体的に温かみのある空間。その所々に、ヤマザキパンという会社が売り出している製品やポップがあることで、スパイスが効いているというか、温かみが更に強調され、ありがたい気持ちにすらなってくる。

味わってから、店を出た。希望が丘の駅前には肉屋さんがあり、そこでコロッケとシュウマイを買って帰った。すっかりゴキゲンであった。

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帰る途中、通り道なので新横浜駅で買い物をする。新幹線が通っている駅なのですごい人。それをかき分けながら、ビックカメラスマホの画面保護フィルムとボディーソープを買う。ついでにと思って、同じ建物の8Fにある有隣堂という本屋さんへ向かった。

オイラが知らない間に、ここ有隣堂は店のコンセプトが変わっていたようだった。店の真ん中にはカフェが出来ており、親子連れやお一人様で賑わっていた。かつてその空間にあった文具用品は、漫画コーナーがあった場所に。その漫画たちは児童書や絵本があった場所に。ではその絵本たちはと言うと、料理本コーナーの隣の棚に押し込まれていた。

それを見てなんだか無性に腹が立ち、それ以上物色することもなくスタスタと改札へ向かった。有隣堂が全て嫌いかと聞かれたら首を横に振るが、それでも彼らのやり方は好きじゃない。本ではなく本屋そのものが主役になろうとするやり方も。まったくもって、オイラは商売に向いていないなと、帰りの電車で思った。

 

家に帰ってきて、買ってきた物をカバンから出した。その瞬間に「あぁオイラの連休も終わるんだなぁ」という気持ちになった。買ってきたスマホフィルムを貼る。ボディーソープを詰め替える。これらの行為は、日々使っていく物への継続的なアプローチだ。自身の生活の先のことを考えた行動だ。それが長期休暇という非日常から日常に戻っていくスイッチのように、オイラには感じられた。

泣いても笑っても死にたくなっても、休暇の終わりはやってくる。時計が0時を指した瞬間にに終わると考える人もいるだろうし、待ってた電車が来たら終わりだと思う人もいるだろうな。厄介な親戚が全員帰っていった時なのか、それとも厄介なお弁当支度の仕事が戻ってきた時なのか。同じ体験をしている人間同士でも、その感覚は少しずつ違うのかもしれない。

幸いにもオイラは、ここ1週間は怪我も病気もせず(むしろ傷めていた足が治った!)楽しく過ごしていたし、GW明け初日もなんとかこうして生きていられている。その理由は多分無い。運が良いだけだ。この運の良さのまま、来年のGWまで過ごしていたい。

午後から仕事だ。背伸びをぐいっとして、最後のスイッチを入れた。