自分の日記をペラペラと読み返していて思った。10月に入ってからというもの、ずっとDIYな生活をしていたんだな。
10月5日は戸棚を削った。オイラの家には洗面所がないので、ニトリで買った戸棚に化粧水やらドライヤーやらをしまっている。戸棚を使い始めたのはここに引っ越してきてすぐのことだから、もう8年くらいか。初めて一人暮らしをした家にも洗面所が無かったので、こういう生活に慣れている。
が、このニトリの戸棚がなかなか厄介でさ。扉の角のエッジが鋭くて、そこでよく手を引っ掻いてしまっていた。引っ掻かれる度にくそっと思いつつ「まぁ猫だって引っ掻いだり噛んだりするわな」と思うことにして、そのまま何もせず普通に使っていた。
そしたらこの10月5日に、扉の角で思いっきり引っ掻いてしまって、悶絶。手の甲の傷に血が滲んでしまった。頭に血がのぼりやすいオイラは「猫だって爪切りぐらいするわ!!もう許さんぞ!!!」と思いながら、戸棚を睨みながら立ち上がった。
100均で紙やすりのセットを買って帰ってきて、扉の角という角をゴリゴリに削った。ついでに家の作業箱に眠っていたニスもしこたま塗ってやった。
これでもう二度と引っかかれることは無くなった。思えば何年も前からこういうことは出来たはずなのに、それをしなかったのは我が心の怠慢だ。猫ちゃんのせいにしてごめんね。しまったこれはただの戸棚だ。
10月6日はシャツのほつれを直した。シャツからピョッと糸が飛び出てることがある。オイラは今までそれをハサミで切っていたのだが、どうやら世の中には、ほつれを直す専用の針があるらしい。それをネットのとある記事で見かけたのだ。
これは便利だと思い早速買おうと思ったが、直前で踏みとどまった。
オイラが見たその記事は、オイラがあんまり好きじゃないWebライターが書いていたからだ。我ながら本当に意地っ張りだと思うんだが、それでも好きじゃない奴からのオススメの品なんて使いたくねぇんだ、てやんでぃ。(上に貼ってある動画は今検索して出てきた動画なので好き嫌いの話とは全く関係ありません)
そこでオイラは考えた。要は”生地の表側に出てきた糸を補修用の針に引っ掛けて、生地の裏側に出す”ことさえ出来れば、わざわざこの補修針を使わなくて良いんじゃないかと。そこで、家の裁縫箱に入っていた針の糸通しを使うことにした。
糸通しを服の裏側から突き刺して、糸通しの穴に糸を潜らせ、そのまま糸通しを引き抜く。これだけだ。これだけでほつれを直すことに成功した。わーい。生地の目がぎうぎうだと難しいだろうけど、ほつれるくらいの生地なら糸通しは通るはず。
ほつれ糸が目立つ服は何着もあったので、それを引っ張り出してちくちく直した。直しながら「自分が嫌いな人間と自分との共通項なんて沢山あるんだから、良いものは良いって取り入れたらいいのに」と、自分に説教した。この日はどうも心がくさくさしていて、そういう意地を張ってしまう日だったな。
10月7日は窓の穴を塞いだ。正確に言うと窓のサッシの隙間なんだが…
この日は風が強い日だった。買い物から帰ってきたオイラは、惣菜をレンジで温めてる間に、家の窓をバシバシ開けた。換気のつもりだった。
そろそろかなとレンジの方に向かった時だ。窓の側にある部屋干し用のハンガーラックが、風に煽られ洗濯物ごとベヤーンと倒れた。その勢いで、ラックの近くにあった紙袋の束が吹き飛ぶ。紙袋の束から大きい虫の死骸が2匹分飛び出してきた。電子レンジがピーッピーッ。
一瞬のうちに部屋はもうめちゃくちゃになってしまったのに、電子レンジからは呼び出され、何がなんだか分からなくなってしまった。
とりあえず大きい虫の死骸から片付けようと思い、掃除機を取り出す。コンセントを挿して吸おうとするが、今度は掃除機のホースが周りの配線に引っかかり、無線LANが棚から落っこちてきた。それを一旦無視して虫を吸い、掃除機を片付けるためにコンセントを抜くと、勢い余って手を棚にぶつけ、衝撃で上に置いてあるバッグが全部転がり落ちてきた。
空き巣案件のような部屋の中でフリーズしてしまった。このまま寝てやろうかと思ったが、そこをぐっと堪え、電子レンジから惣菜とご飯を取り出してぐっちゃぐちゃのリビングに運び、倒れたハンガーラックの横でご飯を食べた。惣菜の入っていたパックには「牛丼用」と書かれていた。ゆっくりとご飯を食べて英気を養い、その後全てを片付けた。紙袋は捨てた。
で、だ。整ったことにした部屋の中で、オイラは首を傾げた。窓の側に置いてあったとはいえ、この窓には網戸もしてあるし破れもない。だのにどうして大きな虫というかコックローチたちが、紙袋の中に2匹も入っていたんだろう。それに彼らがこの辺りに出没するのは今に始まったことじゃない。毎年出てくるのだ。ある時は天井にいたり、またある時は洗濯物に止まっていたり。それら全て、この窓の側から登場する。
なにか理由があるのではないかと窓をしげしげと眺めていたら、あることに気付いてしまった。
窓を閉めた時、右側の窓のサッシの隙間から、外が見える。見えてしまっているのだ。隙間の縦横はおよそ0.5cm×2cm。彼らの大きさなら、やすやすと通り抜けられる大きさだ。隙間があるのは普通のことだが、こんなに広いのは珍しい。
そういえばここに越してきた時から、この窓だけ鍵が閉めづらくて最後まで閉まらないんだよな。あと網戸も右側にスライド出来ずに詰まってしまう。強い風が吹く度、やけに隙間風の音がするなぁ古い建物なのかなぁと思っていたのだが、なるほどなー!窓枠が歪んで隙間が出来てるんだ!
虫達からしたら、さぞ良い物件に違いなかっただろう。入口は常に開いていて、室内に入るとすぐに隠れやすそうな紙袋の束がある。おまけに部屋の主はまだ入口のことに気付いていない、8年もここに暮らしているのに嗚呼なんてマヌケな奴なんだ、と。誰がマヌケじゃ!
これ以上不法侵入を許すわけにはいかないので、近所のスーパーでスポンジを買ってきた。ハサミで薄く切り、その隙間にスポンジを噛ませて完了。これだけだ。
だがこれだけのことで、その日から1度も隙間風の音を聞いていない。す、すげー!やっぱりオイラはマヌケだったかもしれない。もっと早く気付いて欲しかったもん!
このように、DIYな日が3日連続で続いていたようだった。
それからしばらくは忙しくって、ろくに自炊も出来なかったし日記も書けていなかった。昨日になってようやく忙しさも落ち着いてきたので、日々を振り返っていた。今日は溜まっていた家事や動画編集をしつつ、その合間にまた新たなDIYとして、革靴を補修している。
最近知ったのだが、自分が買ったこの革靴は本革らしい。今までテキトーに扱っていたのであちこち擦り切れていたのだが、オイラからすると安い買い物では無かったし、何よりこの靴が気に入っているので、昨日はハンズに行って補修のためのクリームやブラシを買ってきたのだ。
以前に自分のスニーカーの裏張りを直したことはあったが、革靴の革の手入れは殆ど未経験なので緊張した。といっても抉れた部分の補修は専用のパテで埋めるだけであるし、紙やすりで削ったり布でクリームを塗布したりと、あまり複雑な技術が要らない。そのおかげで楽しみつつキレイにすることが出来た。
パテやクリーム等が乾くのにどれくらい時間がかかるのか分からなかったので、1つ塗っては半日放置、を繰り返した結果、2日かかっている。あと靴のクリームって、手を洗うと意外とすぐ取れるんだね。なんでもやってみるまで分からないものだな。
振り返ると、10月はずいぶん色んな It を Youeself で Do した気がする。こういうのって楽しいな、やっぱり。自分でやるってのが面白い。
オイラは趣味で実況プレイ動画を投稿しているんだけれど、サムネイルや動画編集も「全部自分で」やっている。数年前は「こんなこと」は当然すぎてここにわざわざ書くほどのことでも無かったが、今は時代が違うもんな。
配信活動だけに専念したくって、サムネや編集は他に任せたりする人は珍しくなくなった。残念(ではないか)なことに、外部に任せたほうがクオリティが高かったりするし、自分はそれに専念できるから質の高い配信や収録が出来たりするものだ。時間は有限なわけだし。オイラはそれをしない。
理由の一つはもちろん「お金がないから」だ。他人に発注できる資金が無い。でもそれ以上の、一番大きな理由に「自分でやりたいから」というのがある。
別になんでもかんでもDIYしようなんて思わないんだよ、お米だって買って食べてるし、この部屋だって借りてるし。ただ、他人に任せた方が全てにおいて良い結果を生むとしても、自分でやるのは、楽しい。
ピンクのスポンジが窓に挟まってる部屋で、慣れない手つきで靴を触っているのはさ、時間の無駄が多いんだけど。時間を無駄にしないと得られない楽しさも、やっぱりある。作ってもらった靴を履いて走る楽しさと、その靴を作る楽しさは全く違うもので、お互い替えが効かない。よね。
ま、それでも面倒くさかったり優先順位が低かったりすると、新しいものを買うことも自分でなんとかしようともせず、ただただ放置してしまうことも勿論あるんだけどもさ。8年間エッジの効いていた扉のように。
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ふだんはニコニコやYoutubeで動画投稿しています。興味があればプロフィールから覗いて下さい。趣味のことはこっちでも書いてます。