wander around holding a soft oval

日記や雑記を書いています。それらの違いは分かりません。

分倍河原フライ読書サラダ日記

知人からオススメされ、分倍河原に出かけた。オイラが出かけたのは木曜日だったが、平日だというのに電車内には沢山の人が。ベビーカーと一緒の親子連れも多い。この人たちみんな、オイラと同じく平日休みで羽を伸ばしに行くのだろうかと、乗客をジロジロ眺めながら駅まで運ばれた。

オイラの最寄り駅から分倍河原は、だいたい40分くらいで着く。JRに乗ってからは乗客も少なくのんびりとしたものだった。車内で読む用の本を持ってはいなかったが、天気がよく、窓の外を眺めたりしていた。

 

分倍河原は東京都の府中市にある。駅に到着してすぐに「ココがほんとに東京なのかよ」と思った。オイラは神奈川県の港北区に住んでいるのだが、こういうタイプの町はあまり見慣れていないので、すごく興奮した。都筑区ニュータウンのような整った形でもないし、田畑ばかりの田舎のようでもない。ギャンギャンに都会の横浜っぽくもない。のどかというより、のんきだ。分倍河原から感じる東京は、好きかもしれない。

まずは昼飯を食べるためにうろついたが、看板にグッと来たので「キッチンハッスル」に入店。すでに満席だったので、店内の隅で立ったまましばし待つ。眼の前を通り過ぎていったナス炒めのてんこ盛り具合で期待が膨らんだ。

オイラはポークソテーとカキフライのセットにした。野菜サラダがたっぷり付いてきたので嬉しい。味もいい。鮮烈に美味いわけじゃない、でも来週も来たくなる、そういう味であった。小さい音で洋楽がかかっている。店員さんに何か話しかけられた店長さんが「オレはクリスマスソングきらいなんだよなー」と言っていた。へー。

食べている間も店内をじろじろ眺めた。他のメニュー、あれもこれも食べてみたい。オムレツ丼がすごーく気になった。追加でイカフライも注文する。揚げたてのイカフライは柔らかく、この日一番の美味しさだった。洋食屋のイカフライって初めてかもな。

ご飯を食べたので散歩。駅から離れてみても、この町の良さを味わえる。通りがかった焼肉屋のランチに「石焼キムチカレー」と書かれているのを見つけ、食べてないのに美味しいと思ってしまった。佇まいの良い蕎麦屋もあった。雰囲気の良さそうな食い物屋ばかりが目に飛び込んでくる。そういう店が所狭しと並んでいるわけではなく、ぽつ…ぽつ…とあるのが良い。

 

知人からオススメされていた店「マルジナリア書店」に立ち寄る。オイラが着いた時にはシャッターが閉まっており、今日は臨時休業だったか~としょぼくれた。すると後ろから「すみません今開けますねー」との声がかかった。店員さんがパタパタと走ってきて、店を開けてくれた。開店時間2分過ぎにオープンした本屋の、最初のお客さんになった。

小さな本屋さんであるが、サイン本やバンド・デシネも置かれている様子。前から気になっていた本、ここで初めてお目にかかった本、色々と眺めた。

国語力を鍛えようなどと書かれた本の表紙が気になり、ペラペラとめくってみた。たぶん子供に勉強させるために親が読む用の本のようだったが、この育て方でキッチリ躾けられた子供が大きくなった場合、情緒と語彙に溢れ言葉遣いも丁寧な文章を書くようになるのか……と想像し、オイラはかなーり嫌な気持ちになった。

もっと雑に、自分本位に、簡単に書け。そういうのが読みたいんだよな。現代社会で淘汰されないようにチューンナップされた文章、というか生き様?じゃなくて良いんだぞ。と無責任なことを思った。

あとは可愛い絵本を見つけた。動物の双子がご飯を作って皆に配るという内容で、小さなコマひとつひとつに料理の工程を描いている。その絵の細やかさが気に入った。大して読まずに買うことにした。そうやって本を買うと大抵、家に持って帰って読んだ時に「なんだよ思ったのと違うな~」って感じで、損をしたような気持ちになる。が、本当は別に損なんかしてないんだよなぁ。

ここの本屋は、子供向けの本の棚が特徴的だ。図鑑にマンガに勉強の本に物語に、とにかくジャンルが雑多に棚に収められている。ダンダダンの2巻の隣に計算ドリルが刺さっている。それがなんか良いなと思った。会計をする時にそのことを店員さんに伝えると「どうすればもっと楽しんでもらえるか、気に入ってもらえるか考えながら棚を整理している」と応えてもらった。オイラが子供なら、きっと気にいると思う。

昔のヴィレッジバンガードのような、ジャンルに拘りがなくごちゃごちゃっとしているコーナーを眺めていると、宝探しをしているようでワクワクする。それと、自分が本来気にしていなかったジャンルのものに巡り会えて、それを知るキッカケになったりしてな。

さっき嫌な気持ちになった国語力の本に「辞書は紙で引くと、自分が知りたい言葉以外にも、その周辺にある言葉が目に飛び込んでくるから、結果いろいろな言葉を知るキッカケになる」と書かれていた。これも同じようなことだと思う。今で言う”ノイズ”が、実は自分の実になったりすることがある。面白いCMとかな。

 

本を2冊買って、近くの喫茶店で読んだ。「森のキッチン」という店で、大きなカウンターテーブルが特徴的だ。室内は日当たりがよく、座っていると背中が陽光でぽかぽかしてくる。温かいコーヒーを飲みながら、絵本じゃない方の本を手に取る。

「名著でひらく男性学」を読んだ。表紙に小さい紙切れが貼ってあり、そこにはサイン本と記されていた。中を開くと著者数名のサインが本当に入っている。この方々のファンでもないオイラが、こんなありがたい本を買っても良いのだろうか、と書店で狼狽えた。買ったが。

コーヒーを半分ほど飲んだ辺りで、隣に座られた女性客のところへ、サラダとピザが運ばれた。食事を置いた店員さんは「ランチタイムにはこういう感じのサラダが付きます、今はランチの時間ではないので、本当はピザ単品しかお出しできないんです。でもこのサラダは”お試し”ということで持ってきました。食べてって下さい」と、眼の前の客に伝えた。女性客はピザもサラダも綺麗に食べていった。

コーヒーを飲みきって店を出た時点で、オイラはすっかりこの分倍河原が気に入ってしまった。住んでみたらまた違うんだろうけど、また来ようと思う。石焼キムチカレーが食べたいんだもんさ。

 

帰りの電車の中では、さっきの本の続きをずーっと読んでいた。この本の感想はまた今度書けたら書きたい、すごくいい本だぞ。