右目が痛いので目薬をさすことにした私だが、目薬生活1日目にして早くも目がぜんぜん痛くない。良いことではあるのだが、どうも腑に落ちない。これは目薬の影響なのか、それとも自分が大したことのない疲れ目を過剰に痛がっていただけなのか。後者の可能性も捨てきれない。だったら目薬いらなかったじゃん!と少し悔しくなる。
私は痛がりだ。剣道部の時小手を打たれ、防具を付けているのに痛くて耐えられなかったことがある。周りは全然痛がらないのに、私だけ痛くて無理なので、早々に幽霊部員となってしまった。半年前も、突然歯が痛みだしたので歯医者に行ったら、どう検査しても異常がなくて笑われたのであった。私は痛みに敏感なのだと思う。目は心配だから、残り9日欠かさずさそうと思う。もったいないし(目薬の消費期限があと9日なので)
目が痛くないのでガンガン目を使っていく。今日は「直感で解く算数」と「ペスト」を少しずつ読んだ。前者の方は読みやすい。どうやらPHPサイエンス・ワールド新書の本が好きなようだ。というか新書が好きだ。すべての本は一旦新書で発売して、人気が出てから愛蔵版として文庫なり単行本なりになってほしい。新書の読みやすさったらないぞ。
後者の方は厚さにたじろぎ、思わずあとがきから読んでしまった。これ読めるかな…と不安に感じた時は大体あとがきから読む。で、いけるかもと思ったら読む。普段はこんな難しそうな本を読まないんだが、以前読んだ「高橋源一郎の飛ぶ教室」の中で紹介されていたので、読みたくなった。本がキッカケで本を読むこと、結構ある。
「高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば」は読んでいて面白かったが、どこか寂しさを感じる本だったな。1冊の本と過去の記憶を交えた短いエッセイ、それらをまとめてある本なのだが……エッセイ一つ一つは面白いし、時に読んでいる自分が励まされたり温かい気持ちになったりもする。けれど、筆者である高橋さんが、今の世を憂いてばかりというか。昔は良かったな~とは直接的に書いてはいないにしろ、そう感じさせる文章が非常に多かった。年寄りの昔は良かった論なんぞ、いつもなら鼻で笑って終わりなのだが、今回はなんだか寂しかった。
本のタイトルに「飛ぶ教室」と書かれている。これはケストナーの児童文学小説のタイトルであり、高橋さんもそこから取ったと、その理由も含めて紹介している(飛ぶ教室は最of高なのでこの銀河系に住む者は全員読むように)。私は、飛ぶ教室に登場する主人公らは、みな未来を見つめて今を精一杯生きていたように思うのだ。一方で高橋さんは過去ばかり見つめている。その対比というか……なんだろうな、同じタイトルを借りているのに姿勢が正反対であること、そしてそれは高橋さん本人の人生がそうさせているということが、寂しかった。本は人を作るかもしれないが、人は本だけで出来ていない。
もうすぐ4月だが、去年ほどではないが本は読めている。ペストは返却期限までに読み切れるだろうか。目薬は使いきれないだろうな〜