ひょっとして今日も暑いんじゃないか。
いつまでジリジリと夏を続けるつもりなんだ、9月よ！と叫びたくなり窓を開けた。暑い空気がドカンと入ってきたのですぐ閉める。夜には鈴虫みたいなのが鳴いているっていうのにさ。虫が鳴いたら秋じゃないのか。
近所のマンションの植え込みから「リーーー」と途切れることなく聞こえてくるあの音。多分虫だと思うんだけど、なんの虫なんだろう……アオマツムシにしては音が長すぎる。エレカシの今宵の月のようにの「にーいーーーーー」より長い。虫じゃなかったらちょっと怖いな。
そうだよ、夕方から夜にかけて虫が鳴くようになった。夜風も涼しいし、朝早くに家を出ると、木陰の下を通り抜ける風の涼しさにハッとする。秋の訪れを感じるのだ。
これが昼頃にもなると、陽はカンカンに照っており、窓辺に置いたマグカップも熱を持っている。スマホくんが言うには、今の体感気温は33度らしい。やっぱ夏じゃんかよ！
夏と秋の堺を表す言葉は沢山ある。晩夏とか秋隣とか。夏果が個人的にカッコよくて好きだ。じゃあ今はその時期なのか……夏と秋の境ねぇ……実感がない。
気になって気象庁のページにアクセスし、アレコレ見ていたのだが、意味がないので止めた。過去と今のデータと睨めっこして、アーダコーダと考えたいわけじゃない。秋はいつ来るのか。私が知りたいのはそれだけだ。
というより、私はいつを秋と認めるんだろう。今服屋さんに行ったら、秋物冬物が表に並んでる。スーパーに行っても秋の味覚を売り出してるだろう。コンビニでも中華まんの準備してるし。みんな今を秋ということにして動いてるじゃないか。でも私はそれを見ても、秋なもんかい！と頑なに認めない。
やっぱり空気かな。朝や夜、爽やかな空気を感じると秋なのかなって思うもん。昼間にその風を感じることが出来たら、きっと嬉しくなって、秋認定しちゃうかもなー。今家にいてエアコン付けたら涼しい風がビューンと出るから、自分の肌に触れる空気が涼しいことは、秋の条件ではないと思うんだよな。
自己満足でしかないんだけど……何月何日だから秋だと決めるんじゃなくて、秋の風を感じたから秋とするのって、自然の中に生きる生き物らしくってカッコいいな。
秋の風が届いたら秋だと分かるかー…こういう時、ちょっとオシャレに「秋からの便りを待つ気分ですね」とか書けたらもっと良いんだろうけど。自分がイメージしたのは、「注文した定食を待つ気分」だった…食いしん坊め。
ファイナルファンタジーⅤというゲームの話で、世界から風が消えたことがあったんだよ。風が吹かなくなっちゃって。小さいころはそれがすごく怖かったんだけど、大人になって考えると、もっと怖いな……！！！
